7月2日、「プロフェッショナル仕事の流儀」(NHK)に、羽田空港の清掃人・新津春子さんが再び登場した。4年前の同番組の放映では、大反響が巻き起こり、国内はもちろん、中国や台湾、イギリスなどからも取材が殺到した。新津さんが清掃の実技指導を務める羽田空港は、4年連続6回目の「世界一清潔な空港」に選ばれた。
今回、新津さんと久々の再会をはたした同番組ディレクター・築山卓観氏に話を聞いた。
Q:久しぶりに新津さんにお会いしたときはどうでしたか?
朝7時前。空港で久しぶりにお会いした新津さんは、以前と変わらないどころか、さらに元気いっぱいでした。以前は電車通勤をされていたのですが、今はご自宅から40分かけ、1日2万歩を日課に張り切って歩いているんだと、人なつっこく笑いかけてくれました。
その笑顔を見たとたん、4年前のことがまるで昨日のことのように甦ってきました。
初対面の時に空港で迷う私を探しに来てくれた、優しさに満ちた笑顔。そして、ご自身の大変な生い立ちを涙ながらに語ってくれた夜や、空港のトイレ清掃に夜中ひとりで向き合っていた真剣なまなざし。そして朝焼けに包まれながらゴミを拾い続ける神々しい後ろ姿。そして、そんな彼女と向き合った日々が、当時ディレクターとして壁にぶつかっていた自分を大きく成長させてくれたんだとしみじみ思い出され、思わず涙があふれそうになった私は、その場を取り繕うことで精一杯でした。
でも。ふと見ると、同じように目をぬぐっておられる新津さん。
再会は、どちらともなく、自然なハグから始まりました。
Q:今回の新津さんのロケで、驚いた出来事や、印象に残っている言葉はなんですか?
4年前の放送後、複数の出版社の方から、新津さんの半生や清掃技術を書籍化したいという話を頂いたことは覚えていますが、この4年で12冊もの書籍を出されていたことには驚きました。しかもそのうちの1冊は、なんと中学生向けの道徳の教科書でした。