ラグビー愛を語っていたスリムクラブの2人(撮影/中西正男)
ラグビー愛を語っていたスリムクラブの2人(撮影/中西正男)
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 お笑いコンビ「スリムクラブ」「2700」に、反社会的勢力とつながる“闇営業”を仲介したとされるモノマネ芸人・バンドー太郎が都内で会見を開いた。

吉本興業の決意表明【全文】

 会見場に足を運び取材をしてきたが、冒頭、バンドーはしたためてきた文章を読み上げる形で二組への謝罪を重ね、頭を下げた。

 日ごろステージに立つプロではあるが、文面が書かれた紙を持つ手は小刻みに震え、緊張の大きさもうかがわせた。

 45分ほどの会見で語った骨子を整理すると、以下の2点に集約された。

●知り合いの建設会社社長から「実の兄の誕生日パーティー」として依頼されたもので、自分も反社会勢力が出席しているとは知らなかった。

●とはいえ、結果的に当該の二組、その家族、吉本興業、関係者に迷惑をかけてしまい申し訳なかった。

 額に大粒の汗を光らせながら、数えきれないほど頭を下げたが、起こってしまったことは戻らない。

 個人的な話になるが、今回の二組は取材や仕事の場で、とりわけ深く話を聞いてきたコンビだったため、バンドーが頭を下げるたびに、何とも言えない“やるせなさ”も沸き上がってきた。

 6月16日、大阪市内の高校で行われたラグビーイベントで「スリムクラブ」と共演した。真栄田賢は沖縄県立首里高校1年の頃から身長184センチ、体重115キロという体格を生かし、ラグビー部で活躍。沖縄選抜にも選ばれた。

 相方の内間政成はラグビー経験はなかったが、真栄田とコンビを組んだことをきっかけにラグビーの魅力を知り、真栄田らと7人制ラグビーのチームを結成。パフォーマンスの向上を目指してトレーニングにも励んでいた。

 今年に入ってからは多い時には週に3日ラグビー関連の仕事が舞い込むこともあり、先述したイベントもまさにその1つだった。僕も中学から大学までラグビーをやっていたことから同イベントから出演依頼があり、二人と共演することになった。

 僕も一緒に行ったトークショーではこれでもかとラグビーネタで笑いを取り、イベント終了後も駆け寄ってくる子供たちを抱き上げ、にこやかに写真撮影やサインに応じていた。小学生や中学生の試合を見ては、ワンプレーごとに「ナイスタックル!」などと声を張り上げていた。

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中西正男

中西正男

芸能記者。1974年、大阪府生まれ。立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当として、故桂米朝さんのインタビューなどお笑いを中心に取材にあたる。取材を通じて若手からベテランまで広く芸人との付き合いがある。2012年に同社を退社し、井上公造氏の事務所「KOZOクリエイターズ」に所属。「上沼・高田のクギズケ!」「す・またん!」(読売テレビ)、「キャッチ!」(中京テレビ)、「旬感LIVE とれたてっ!」(関西テレビ)、「松井愛のすこ~し愛して♡」(MBSラジオ)、「ウラのウラまで浦川です」(ABCラジオ)などに出演中。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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