もちろん、その感動を誰よりも味わったのは本人たちに違いない。加護はテレビでの復活が決まったあと、自身のブログに、
「いいの!?いいの!?いいんでしょうかー!?という気持ちですが、楽しんでいただけるように準備しますね」
と綴った。一方、スキャンダルまみれの加護を気遣い続けた辻は3月にステージでの復活を果たしたあと、ブログにこう書いた。
「一緒に立つステージは凄く安心感があり、自分にもの凄いパワーが出ます」
十数年前、アイドル史上最強ともいうべき破壊力で、時代の寵児となったふたり。その破壊力ゆえに苛酷な運命も味わうことになったが、その人生の糸は再び交わった。W(ダブルユー)の復活パフォーマンスは、そんな友情物語の名場面としてファンの心に刻まれたことだろう。
●宝泉薫(ほうせん・かおる)/1964年生まれ。早稲田大学第一文学部除籍後、ミニコミ誌『よい子の歌謡曲』発行人を経て『週刊明星』『宝島30』『テレビブロス』などに執筆する。著書に『平成の死 追悼は生きる糧』『平成「一発屋」見聞録』『文春ムック あのアイドルがなぜヌードに』など