これにより、アイドルというもの自体にも質的変化が発生。二次元文化との融合やコミカルなポップ化が進み、可愛くて楽しいものというイメージがますます確立した。2000年以降のアイドルブーム、そして海外でもアイドルがウケるようになった背景に、ふたりの貢献は計り知れない。

 さらに、ハロプロはふたりの後継者作りにも着手した。8歳でキッズオーディションに合格した鈴木愛理や、9歳でエッグオーディションに合格した和田彩花などはまさに、辻加護チルドレンとでも呼びたい存在だ。昨年3月、ハロプロのツアーに加護がOBゲストとして出演した際、鈴木はこうツイートした。

「なんてことだ、、、加護さんとステージで歌えるなんて、15年前の自分は想像もしていなかったな。。。憧れでもあり、いちファンでもあった加護亜依さん。今日は楽屋でもあり得ないくらいはしゃぎまくって、楽しすぎました」

 また、辻加護には「双子じゃないけど双子みたい」(加護)というアピールポイントもあった。そのあたりを活かしたのが、前出の「W」だ。2004年に、ザ・ピーナッツのカバー「恋のバカンス」でデビューし、デュオの名曲ばかりを集めたアルバムをリリースしたりもした。昭和歌謡のキラーコンテンツだった双子モノは平成のJポップでは流行らなくなったが、それっぽいものへの需要は消えておらず、Winkとともにテイストを変えて継承したかたちだ。

 とまあ、大成功を収めたふたり。14歳にして長者番付に名を連ねるという快挙も達成した。が、幼くして富や名声を得た子供が挫折を味わいがちなのも世のならいだ。その挫折をもたらしたのは、それぞれの「反抗期」もしくは「背伸び」である。

■喫煙、DV、離婚、再婚……

 2006年、写真誌がこんな記事を掲載した。

「衝撃スクープ 女のコ御用達の『バージニアスリム』を手に! 元『モー娘。』加護亜依『未成年深夜のタバコ現場』撮った」

 これにより、加護は謹慎。しかも翌年、また喫煙写真を撮られたことから、事務所をクビになってしまう。その後、芸能活動は再開したものの、不倫を報じられた俳優の元妻に慰謝料を要求されたり、同棲していた恋人が恐喝未遂で逮捕されたり、そのショックから自殺未遂騒動を起こしたりもした。

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若くしてスキャンダルまみれに