ViViのモデルと自民党のコラボ企画ホームページ
ViViのモデルと自民党のコラボ企画ホームページ
この記事の写真をすべて見る

 講談社の女性向けファッション雑誌「ViVi」オンライン版が、自民党の広告記事で同誌所属のモデルを9人登場させ、Tシャツをプレゼントする企画を発表したことが波紋を広げている。

 同誌は10日、「わたしたちの時代がやってくる!権利平等、動物保護、文化共生。みんなはどんな世の中にしたい?」と題した記事を公開。ツイッターでは、「#自民党2019」「#メッセージTシャツプレゼント」の2つのハッシュタグをつけて、どんな世の中にしていきたいかをツイッターやインスタグラムに投稿するよう呼びかけた。また、メッセージを投稿した人から抽選で13名にモデルたちが考えたメッセージをプリントしたTシャツをプレゼントすると発表した。

 講談社に取材を申し込むと、「このたびの自民党との広告企画につきましては、ViViの読者世代のような若い女性が現代の社会的な関心事について自由な意見を表明する場を提供したいと考えました。政治的な背景や意図はまったくございません」との回答だった。なお、今回の企画の広告費用については「お答えできません」(講談社広報担当者)という。

 ただ、今夏に実施される参院選を控えた政党が、人気カリスマモデルを使って広告を展開すること自体が異例なこと。広告の連絡先は『「#自民党2019」プロジェクト事務局』となっていて、同プロジェクトは安倍首相の側近の一人である甘利明選対委員長がリーダーを務めている。

 しかも、ViViのホームページでは「メッセージTシャツプレゼント」の企画も告知されていて、そのTシャツには自民党のロゴマークも印刷されているように見える。公職選挙法では、政治家が選挙区内でお金や物を贈ることは禁止だ。選挙区内の有権者に線香セットを配ったことで、2000年に小野寺五典衆院議員が議員辞職した例もある。

 はたして違法性はないのか。政治資金の問題に詳しい神戸学院大学法学部の上脇博之教授は、こう話す。

次のページ
Tシャツプレゼントは法律違反?