「『今日は暖かいね。ずっとこんな景色を一緒に見ていたいね』と言うと、『僕と結婚してください』ってプロポーズされたんです。私の人生にこんなことがあるのかと、うれしくて驚いて、大泣きしました」
結婚したいほど、私のことが好きなのかと、「ありがとう」という気持ちだった。
震災が起きた3月11日は、お互いメールで安否を確認。そのうち電車も動くのではないかと思っていたが、夜になっても交通網の麻痺は解消せず、自宅には帰れなくなった彼に、「私の家まで歩いてくれば何とかなるよ」と伝えたエミさん。夜中の2時か3時に彼が家に到着したときは、本当に安心したという。
泊まるときはいつもホテルだったが、そのうち、彼の家にも泊まるようになった。後でわかったことだが、彼にはアレルギーがあり、自宅以外の誰かの部屋に泊まることができなかったのだという。
隣の県の山の近くに住んでいるのも、きれいな水のあるところに住みたいということからだ。そして、結婚後はエミさんもそこに引っ越し、一緒に住むことになる。
「結婚するかどうかは、そのときはわからなかったけれど、お互いに一緒にいて自然でいられる人に、やっと出会えたんだなあと幸せな気持ちでいっぱいでした。以前感じていたような、もしかして彼に嫌われるとか、もっと好かれたいとか、そういう欲はもうありませんでした」
■彼より年が近いご両親に挨拶!
5月になり、彼の家に挨拶に行った。14歳年上の自分を気に入ってもらえるだろうか。不安がないと言ったらウソになる。
彼のご両親にしても、どんな女性を連れてくるのだろうか、おかしな後妻業の女にだまされているんじゃないか、と不安があったはず。
「彼とは14歳違いますが、彼のお義母さんと私は10歳違い。お義母さんのほうが年が近いんです(笑)。ご両親は感じがよく、リベラルで話が合いました。ただ、私が個人事業主なので、『経営者は借金が当たり前だけど、借金はありませんか?』と聞かれました。『私は借金は嫌いです。1円もありません!』と即答しました。また、『年金は入っているの?』とも。もちろん『入っています!』と」