■嫉妬をかわすために身につけるべき処世術
吹原:そんな社会でどう生き抜けばいいのでしょうか。
田村:とにかく目立たないことです。特に、仕事の評価が相対的な環境で働いている人は、身を潜めるのをおすすめします。「なんで自分が認められないんだ」と嫉妬を燃やすアホに目を付けられると、足を引っ張られることになりますから。
吹原:僕が脚本を書いているときに思い出したのは、子どもの頃のことでした。僕には4歳離れている姉がいます。当然、小さい子に手が掛かりますから、僕が両親によく面倒をみてもらっているのに気づいて、嫉妬していたんでしょう。よくいじめられていました(笑)。
それでどうしたのかというと、徹底的に相手の懐に飛び込んだんですよ。おままごとで犬役を姉から命じられても、屈辱に思うことなく、すごく楽しんで演じ、親にも「犬役をやらせてもらったよ!」とうれしそうに報告したりして(笑)。そうすることで、姉の態度が軟化した気がします。
田村:原案本にも書いていますが、それは「負けたふり」をすることで、相手を気持ちよくさせる対応策ですね。完璧な作戦です。
吹原:昔飼っていた犬は、僕が怒っても反抗するのではなく、シッポを振ってかえって懐いてくるんです。恭順してくれると、こちらとしても受け入れざるをえないんだなと実感しました。そして、僕が姉にしたことは正しかったんだと実感しました(笑)。