ちなみに田代はスポーツメーカー製のものに加え、カジュアル衣料品大手のユニクロ製のダウンベストも所有しているというが「ユニクロのはめちゃくちゃ軽くて、着てるのを忘れるぐらいなんですけど、あったかいんですよ」と、その良さを語る。

 雄平も田代に借りっぱなしでは申し訳ないと、自ら購入しようとユニクロに問い合わせてみたところ、もう春物しか扱っていないとの返事だったという。そこで、とりあえず通販サイトですぐに届けてもらえそうなものをオーダーし、その後も屋外の試合ではこれを着用している。

「ちょっと空気が入っちゃうんですけど、あったかいですよ。前はアンダーシャツを2枚重ねにしてたんですけど、そうすると動きが悪くなるんですよね。これ(ダウンベスト)ならあったかいし、体も動くから最高です」

 ヤクルトにとっては5日ぶりの屋外ゲームとなった16日の阪神戦(松山)でも、雄平はこのベストを着てプレー。2安打、2打点でチームの勝利に貢献した。

 ここへ来て日中は気温が20度に達する日も多くなり、もうそろそろナイターの試合であってもベストを着ることもなくなるだろう。だが、ペナントレースが佳境を迎える9月後半、そしてポストシーズンを戦う時期ともなれば、再び「寒さ知らず」のこの“秘密兵器”の力を借りる必要が出てくるはずだ。もしかするとその頃には、ヤクルトでもベスト着用組が増えているかもしれない。(文・菊田康彦)