※写真はイメージ(gettyimages
※写真はイメージ(gettyimages
この記事の写真をすべて見る

「男性は手料理をふるまってもらえると嬉しい、女性は花をもらうと嬉しい」。そんな“一般論”にハマらない人は意外といるかもしれない。カップルカウンセラーの西澤寿樹さんが夫婦間で起きがちな問題を紐解く本連載、今回は「パートナーのニーズを満たす4カ条」を解説する。

*  *  *

 前回の記事(「妻の急病で新婚旅行をキャンセル、淡々と仕事する30代夫に感じる妻のみじめさとは?」)には、たくさんの反響をいただきました。パートナーのニーズがわからず、すれ違ってしまったケースを紹介したものですが、ではどうすれば、相手のニーズを満たすことができるのか。今回はもう一歩踏み込んで考えてみたいと思います。

 前回登場した結婚3年目の秋帆さん(仮名、30代)は、当初「夫には感情がない」と訴えます。

「この人には感情ってものがないんです。私が死んだって眉一つ動かさない人なんです」

 すると夫の博隆さん(仮名、30代後半、営業職)は、冷静にこう言いました。

「そんなことありません。私だって、妻が亡くなれば悲しいですし」

 そのあとに、こうも言いました。

「でも妻の方こそ、花をあげても喜ばなくなりました」

 交際当初は、誕生日などに花束を贈るととても喜んだのに、最近は変わってしまったと博隆さんは感じていました。秋帆さんは怒り交じりで言います。

「夫はそう責めるんですが、嬉しくないものは嬉しくないんです!」

 私が「もちろん(嬉しくないものは、嬉しくないですよね)」と応じると、

「花をもらっても、うれしいと感じない私はおかしいんでしょうか?」

と続けます。私は「何がおかしいと思うんですか?」と訪ねます。するとこう答えました。

「夫が言うように、花をもらったら嬉しいって感じるのが普通かな、と思うんです。でも私は、切り花は花がかわいそうに感じて、心が痛むんです。交際当初はそれよりも、自分にプレゼントをくれる男性がいるということが嬉しくて舞い上がっていたのですが……」

著者プロフィールを見る
西澤寿樹

西澤寿樹

西澤寿樹(にしざわ・としき)/1964年、長野県生まれ。臨床心理士、カウンセラー。女性と夫婦のためのカウンセリングルーム「@はあと・くりにっく」(東京・渋谷)で多くのカップルから相談を受ける。経営者、医療関係者、アーティスト等のクライアントを多く抱える。 慶應義塾大学経営管理研究科修士課程修了、青山学院大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程単位取得退学。戦略コンサルティング会社、証券会社勤務を経て現職

西澤寿樹の記事一覧はこちら
次のページ
ニーズを満たす4カ条 意外と難しいのは…