デビュー40周年イヤーを迎えた杏里がエネルギッシュに活動を行っている。2018年にはオリジナルアルバム『ANRI』をリリースしてツアーを行った。そして2019年3月6日には、新曲「Duke’s Anthem ~星空のどこかで~」をはじめ3曲を配信リリースする予定だ。「Duke’s Anthem 」は2013年に他界した名プロデューサー、ジョージ・デュークに捧げるナンバー。レコーディングは、“ドラムスの神様”とも称されるスティーヴ・ガッドをはじめ、世界一級のミュージシャンたちが集まった。
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「スティーヴとの共通の知り合いからの提案でした。トランペットを演奏するウォルト・ファウラーからメロディをいただいて、歌詞は私が書きました。今回は特に、純粋に音楽を楽しむ気持ちでつくり上げました」
3曲のレコーディングで、1か月間ロサンゼルスに滞在した。
「歌詞については、ジョージ・デュークへのオマージュという、これまでに私が書いてきた作品とは違う世界観を求められていたので、とても悩みましたね。ジョージと一緒に音楽をやってきたスティーヴたちの気持ちも大切にしなくてはいけませんし」
夜、ロサンゼルスの郊外の山の上にある友人宅で、杏里は夜空を見上げた。
「ジョージ、どうか私にいい歌詞を書かせて」
赤ワインのグラスを手に星にお願いした。
「赤ワインを手にというと、おしゃれなイメージかもしれないけれど、実情はかなりあせっていました。でも、ジョージに願いが届いたのか、空から言葉が降ってきた」
そして、杏里のここまでの40年のキャリアは順風満帆だったわけではない。
「1978年、16歳でのデビュー曲、代表曲の1つでもある『オリビアを聴きながら』も売れるまでに時間がかかっていますし、その後もしばらくヒット曲のない状況が続きました。あのころは、ホールではなく、いつもライヴハウスで歌っていた。新宿ルイードや神戸のチキンジョージです。今、キャパシティ300規模のビルボードライブ東京やビルボードライブ大阪でコンスタントにライヴを行っていますけれど、デビュー当時がよみがえって懐かしい気持ちになります」
40年間で、杏里には何度か大きな挑戦がある。