■松本 B
まずは残留が目標となる松本。MF町田也真人(←千葉)、DF溝渕雄志(←千葉)、MF塚川孝輝(←岡山)、DF服部康平(←栃木)といった反町康治監督が実際に戦って実力を知るJ2のタレントが中心の補強が目立ったが、J1王者の川崎からDFエドゥアルドを招き入れ、さらにブラジル国内でトップクラスの得点力を持つレアンドロ・ペレイラ(←クラブ・ブルージュ)を獲得した。
レアンドロ・ペレイラはヘディングを武器としながら、左右の足でもゴールを狙える大型ストライカー。川崎のダミアンほどの知名度はないが、ブラジルでは遜色ない決定力を発揮していただけに、ツボにはまれば躍進の立役者になるかもしれない。鹿島で殻を破りきれなかったもののJ2で非凡なセンスを見せていた杉本太郎(←徳島)を反町監督がどう生かすかも注目だ。
■清水 D
新加入選手の目玉はエウシーニョ(←川崎)だ。川崎のJ1連覇に大きく貢献した右サイドバックの推進力は健在で、良くも悪くも2トップを中心とした“前輪駆動型”だった清水の攻撃に厚みをもたらすことは間違いない。また彼の加入でU-22代表の長身DF立田悠悟を本職のセンターバックで起用するプランも出てきそうだ。DFヴァンデルソン(← アトレチコ・パラナエンセ)も実力者だが、ソリッドな清水の守備戦術に素早く適応できるか未知数な部分はある。
白崎凌兵、清水航平、村田和哉などの相次ぐ移籍でやや不安視される中盤は経験豊富なドリブラーの楠神順平(←山形)、運動量が豊富な中村慶太(←長崎)、新外国人のヘナト・アウグスト(← パルメイラス)、大学屈指のMF西澤健太(←筑波大)らをヨンソン監督がどうアサインしていくか。ドウグラスが不静脈治療で序盤戦を欠場する可能性が高い中でFWに補強はなく、アジアカップを経験したFW北川航也らの奮起に期待がかかる。
■磐田 E
現段階で移籍した選手が3人、新加入が4人とJ1クラブでは最も動きが少なかった。昨季16位でJ1・J2入れ替えプレーオフまで経験したチームでもう一度仕切り直したいという姿勢の表れかもしれないが、残留争いを演じたライバルクラブに積極補強が目立つ中で、どう結果が出るか評価の難しいところではある。ただ、出戻りの石田崚真(←金沢)、高いテクニックとシュート力を持つ森谷賢太郎(←川崎)、精力的な中山仁斗(←山形)ともに計算の立つ戦力だ。
唯一の新外国人であるロドリゲス(←シェリフ)はゴール前の強さが持ち味で、23歳という年齢から成長も見込めるタレントだ。またケガで終盤戦を棒にふったウズベキスタン代表MFムサエフは戦術的な生命線であり、彼の復帰は補強にも等しい。