私自身は、ブラック・タイディングズ社との契約に関し、いかなる意志決定プロセスにも関与していません。私には、本件に関与していた人々や本件の承認手続きを疑うべき理由はありませんでした。調査報告書は、招致委員会からブラック・タイディングズ社への支払いは、コンサルタント業務に対する適切な対価であったと結論づけています。
また、付け加えますと、調査報告書では、私がブラック・タイディングズ社と国際陸上競技連盟会長、およびその息子がいかなる関係があったことも知らなかったことを確認いたしました。
また、調査報告書は、ブラック・タイディングズ社との契約締結に日本の法において違法性はないと結論づけました。
この調査報告書は、2016年9月に発表され、それ以降さらなる調査は行われておりません。2017年初旬には、フランスの要請を受けた東京地検にも協力し、すべての質問に対し回答をいたしました。東京地検では、なんらの手続きも行われていません。
その後、フランス当局の要請により、12月10日、パリでヒアリングを受けてまいりました。そこですべての質疑に応答し、自らの潔白を説明しました。
現時点、私の心境といたしましては、この騒動により2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、着実で順調な準備に尽力されているみなさま、組織委員会、オリンピックに対し影響を与えかねない状況となってしまったことにつき、大変申し訳なく思っております。
また、信頼するスタッフ達が一丸となって熱い想いを持って取り組んでいたのはまぎれもない事実であり、その支えがあったからこそ、この東京招致が実現できたものと確信しております。この場をお借りして、あらためて当時のスタッフを誇りに思うとともに、みなさまに感謝を申し上げたいと思います。
今後、私は、現在調査中の本件についてフランス当局と全面的に協力することを通じて、自ら潔白を証明すべく全力を尽くしてまいります。以上です。
(AERA dot.編集部・西岡千史)