■第2位:横浜(1998年、平成10年)
春:優勝 夏:優勝
主な選手:松坂大輔(中日) 小山良男(元中日) 後藤武敏(元DeNA) 小池正晃(元DeNA)
前年秋に新チームが発足してから明治神宮大会、春夏の甲子園、国体まで全ての大会で優勝し、公式戦44連勝を記録。特に夏の甲子園では延長17回、6点差の逆転、決勝戦のノーヒットノーランなど、まさに歴史に残る戦いぶりだった。弱点があったとすれば松坂に次ぐ2番手以降の投手陣。同じ学年に頼れる投手が松坂しかおらず、下級生が登板した夏の準決勝は大逆転したものの完全な負け試合だった。一度も負けなかったことは確かに快挙だが、それを理由に2位とした。
■第1位:大阪桐蔭(2012年、平成24年)
春:優勝 夏:優勝
主な選手:藤浪晋太郎(阪神) 森友哉(西武) 澤田圭佑(オリックス)
チームとして初となる春夏連覇を達成した2012年の大阪桐蔭を1位に選んだ。選抜の準々決勝、浦和学院戦では8回終了時点までリードを許す苦しい展開だったが、それ以外の試合は常に主導権を握る危なげない戦いぶりだった。98年の横浜より上にしたのは投手陣の差が大きい。エースの藤浪は夏の甲子園4試合、36回を投げて被安打14で失点はわずかに3(自責点2)、49奪三振をマークしている。さらに2番手の澤田も3回戦の済々黌戦で被安打6、2失点完投勝利と見事なピッチングを見せた。劇的な勝ち方から横浜を推す声は根強いが、そんなドラマも起きないほどの安定した勝ち方は、まさに平成最強のチームにふさわしいものと言えるだろう。
●プロフィール
西尾典文
1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。