2月のキャンプから数えると約8カ月、さらにプレーオフも含めると9カ月の長いシーズンを戦うメジャーリーガーにとって、シーズンオフは待ちに待った時間。ある選手は家族サービスにいそしみ、ある選手はバカンスで悠々自適に、ある選手は故郷のウィンターリーグに参加して野球三昧と、それぞれが思い思いに過ごす。
だがオフであろうと彼らがプロアスリートなのは変えられない事実。それゆえに不用意な故障などは一番避けなければならないはず……なのだが、案外とオフやシーズン前のキャンプにて意外な理由でケガをしてしまう選手がいるものなのだ。今回はそういった珍エピソードをいくつか紹介しよう。
17年にキャリアハイの13勝(12敗)を挙げたレンジャーズの左腕マーティン・ペレス投手は、その年の12月に牡牛に絡む事故で右ひじを骨折した。果たして彼はロデオにでも挑戦したのか……と思いきや、つながれていた牛が身動きしたのに驚いて転び、その際にケガしてしまったという、なんともしまらない真相だった。
ちなみに幸い利き腕のケガではなかったこともあって18年の開幕ローテーションには入れたマーティンだが、4月末に同箇所の違和感で故障者リスト入りするなど満足のいくシーズンを送ることはできず。22試合の登板で2勝7敗、防御率6.22と散々だった。
動物絡みのケガといえば、14年1月には当時レンジャーズの左腕デレク・ホランド投手が、自宅の階段で足元にじゃれ付いた愛犬につまずいて転倒。しかもこれでホランドは左ひざの軟骨損傷という重傷を負って手術を余儀なくされ、オールスター明けまで長期離脱することに。復帰後は6試合で2勝0敗、防御率1.46と好投したが、前年まで続いていた2ケタ勝利は3年で途切れてしまった。
厳密に言えば動物が原因ではないが、昨オフにはロイヤルズのネド・ヨースト監督が約6メートルの高所にあるハンティング用のツリースタンドから落下。骨盤骨折などの重傷を負い、危ういところで一命をとりとめる事態に見舞われている。