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日本のクラフトビール・メーカーは300社近く。その中のシェア断トツ1位が「よなよなエール」などを製造・販売するヤッホーブルーイングだ。2008年の代表取締役社長就任以来、急成長を導いてきた井手直行さんは、ビジネス成功のカギは「チームビルディングにある」と断言する。「よなよな流」のチームづくりとはどんなものなのか。グーグルの元アジア・パシフィック人材開発部門ヘッドで、コンサルタントのピョートル・フェリクス・グジバチさんとの対話から浮かび上がるのは、「グーグル流」とのさまざまな共通点だ。
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グジバチ:先日(2018年10月15日)は、弊社(モティファイ、プロノイア・グループ)主催の「世界最高のチーム」コンテストの審査員を務めていただき、ありがとうございました。僕の著書『世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法』(朝日新聞出版)の出版記念を兼ねたビジネスイベントでしたが、どうでしたか。
井手:いえいえ、あの時は「よなよなエール」で乾杯していただいて、こちらこそありがとうございます。国籍も多様な男女混合の10チーム60人ほどが参加して、大いに盛り上がりましたね。まず乾杯して、みんなで飲み食いしながら楽しく真剣に難しい課題にチャレンジするというコンペは、いかにもピョートルさんらしくて、とても新鮮でした。
グジバチ:さて、チームビルディング……あっ、ヤッホーブルーイングの場合はチーム「ビール」ディングですね(笑)。営業担当だった井手さんが2004年頃からネット通販を始めて業績が一気に伸びた印象です。やはり、その頃からチームづくりを意識していたんですか。たとえば、特別な営業チームをつくったとか。
井手:1997年の創業時に、先代の社長に誘われて私は入社したんですが、地ビールブームが去ってからは、ずっと売れない時代が続いて会社はつぶれそうでした。どんどん人が辞めるし、雰囲気も最悪。ネット通販の成功で最悪の状態は抜け出したんですが、当時20人ほどの会社の中で、売上が伸びて喜んでいるのは私と直属の部下の2人だけ。ほかの社員からは「通販のせいで残業、休日出勤が増えた」とか「忙しくなって自分の仕事ができない」とか、むしろ不満が多く出ていて……。