近年、大学のグローバル化が進み、留学を必修とする学部や、オール英語の授業を行うところも出てきた。グローバル化の現状と今後を、AERAムック「国公立大学 by AERA 2019」(朝日新聞出版)より紹介する。
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大学のキャンパスで外国人を多く見かけるようになった。外国人と肩を並べて授業を受ける光景も珍しくなくなった。1990年代以降、大学が外国人留学生を多く受け入れるようになったからだ。
国の政策もこの流れを後押ししている。2008年、「日本を世界に開かれた国とし、人の流れを拡大していくために重要である」として、留学生30万人計画を立てた。
この計画では、20年までに日本国内の外国人留学生を30万人に増やすことを掲げ、留学生受け入れ支援(補助金、競争的資金)が強化されている。2017 年時点の留学生数は26万7042人(前年比2万7755人増)だ。
また、留学生が多ければ、世界大学ランキングの順位が上がるので、国としては力を入れたという事情もあった。
■本当の意味でのグローバル化とは
グローバル化を測るモノサシは外国人留学生の多さだけではない。外国人教員による授業がそろう、授業をすべて英語で行う、海外留学生派遣数が多いことなどもアピールポイントになる。
このような大学は圧倒的に私立大が多い。グローバル化に特化した学部や学科、制度をつくりやすいからだ。国公立大にも外国語大、外国語系・国際系学部があり、グローバル化で特徴を出しているところもあるが、外国人留学生数、外国人教員数ではどうしても私立大に後れをとってしまうケースが目につく。