――奥様が表に立って活動されてきましたが、そういったことを知って今後の活動に向けて気持ちに変化があれば教えてください。


 
家族には何もしないようにと伝えていましたが、家族の気持ちとしてそれは難しかった。感謝しています。私自身の取材の内容については家族には全く話しておらず、自己責任だと思っています。特に両親もかなり年で、捕まっている間に亡くなっていることもありえたわけで、そのことを気にかけていました。いい加減、親孝行しなければいけないということも考えていますので、今後の取材の仕方であったり、そういう部分でもう少し慎重に考えることはあるかもしれません。
 
――拘束中、市民の側から民主運動の声をあげようと、SNSを使ってメッセージを発信しているという報道もありました。何らかの情報を見聞きしたことはありましたか。
 
(拘束中なので)民主化運動について話を聞くことは難しいですよね。捕まっている囚人の中に子どもがいました。尋問の中身を聞いていると、政府側のスパイだったと。障害者も使ったりするんです。ふらふらっと反政府側の地域に入らせています。反政府側も色々やっているのでしょうが、政府側でもそういうことをやっているようだと。戦争ですから、お互いにスパイを潜り込ませることは当然やることですが、子どもなどを使ってやっていることを長年現地を取材しましたが、そこに反発して反政府側に入っていく人間が増えてきた背景でもあります。
 
どうしても中にいるので、話を聞いて回るということはできないです。周りで空爆が聞こえると、救急車が走っている音がしました。反政府側組織の中に救助活動をしているグループがいて、空爆の被害者を救助するということがありました。2012年にいたころは、空爆のひどいところでは、がれきの中から子どもや女性のひどい遺体がいくつも出てくる場面をずっと見てきました。そういったもの経験する中で、運動を始める人たちが出たのかもしれません。それと同時にシリア人の人質もいたと言いましたが、人身売買がされていたんですね。武装勢力は結局、武力を持っている人々なので、ある意味で権力のようなものですが、そういった組織によって被害を受けるということも起きていると感じました。その中で武装組織ではない、民主化運動をしたいという人々がいるということは理解できるなと思っています。
 

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