おすすめポイント

 きりんは「あのぅ」と質問したり、「ちょっとしつれいします」と海に入ったり、ときどき恥ずかしそうに顔を赤らめたりと、丁寧で控えめな性格。けれど、ひとりでかくれんぼをしたり、逆立ちをカメレオン先生に習ったり、ちょうちょのまねをして風をよける穴をほったりと、お茶目なところもあります。そんなきりんに、子どもは親しみを持ち、リラックスするようです。

 2、3ページの短い話が多く、読書が苦手な子でも気軽に手に取れます。どこからでも読めるので、1話ずつ読んでいけば、いつの間にか1冊読み終えたという達成感も得られます。1冊を読み切ることにまだ慣れない低学年のひとり読みにぴったりです。

『きりんのまいにち』(二宮由紀子 作/大野八生 絵/光村図書出版 刊)

 すべての見開きに、優しい色彩のイラストが描かれています。造園家でもある大野八生さんの描くきりんはすらっとしていて、まつ毛が長く、おっとりして、チャーミング。きりんの横顔、後ろ姿、ほっそりした脚など、いろんな方向からきりんを味わうことができます。長年、小学生の教科書の表紙を描いてきた画家なので、「どこかで見たことある」と子どもが感じるかもしれません。

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