ワンキャリアが公開しているクチコミ点数をもとにアエラ編集部が作成(クチコミ投稿件数が70件以上の企業が対象。6月29日時点)
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 暑いシーズンに2022年卒生の就職活動が続いている。近年、学生優位の「売り手市場」だったが、昨年からは新型コロナの影響も否めない。リーマン・ショックの影響を受けた2011年から右肩上がりだった2020年までの「10年」で、就活戦線はどう変わったのか。東大、京大、早慶など難関大学から有名企業への就職者数「増減」を調査すると、就活生のツールも大きく変わっているのがわかる。LINEやクチコミサイト――従来の就活サイトにはない魅力とは何か。「大学」特集のAERA 2021年7月12日号から。

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 企業とも友達とも会いづらいなかで、就活生はインターネットに集まっている。

 その一つに、LINEが19年夏にリリースした「オープンチャット」がある。匿名で不特定多数と話せる気軽さからか、「就活」と検索するだけで、業界別や職種別、世代別に様々な部屋が広がる。

「正式な数字は把握できていませんが、21年卒では5万~6万人の利用者が集まったと予想しています」

 そう話すのは、人材会社「ネオキャリア」グループのユニスタイル代表、中村陽太郎さんだ。いわばLINE“公認”の形で、就活部屋も運営している。

「アンケート機能を使って合否連絡があったかどうかをリアルタイムで確かめ合ったり、面接で聞かれたことなど情報交換する場として機能しています」

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「隠れ優良企業」に光

 就職内定率が低かった11年に産声をあげたLINEが、今や就活の必須ツールになっている。オープンチャットは登録さえしていれば誰でも自由に出入りできるため、企業の人事担当者が紛れていたこともあるという。

 学生たちが求めるのは、うそ偽りのないリアルな声。新卒採用サービスを手がける「ワンキャリア」は15年の創業からわずか6年で、楽天「みん就」などの学生の利用者数調査でリクナビを抜いて2位に躍り出た。躍進の背景には、就活生によって蓄積されたクチコミの存在がある。

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福井しほ

福井しほ

大阪生まれ、大阪育ち。

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企業は「選ぶ側」から「試される側」