※写真はイメージ(gettyimages)
※写真はイメージ(gettyimages)

 コロナ禍をきっかけに遊びの主流がゲームとなり、ゲーム依存症気味の子どもが増加した。その一方で、ゲームに救われたという家庭もある。AERA 2023年6月12日号の記事を紹介する。

【サイバー遊び世代の子育てポイントはこちら】

*  *  *

 高校1年生の息子を持つ40代の母親(東京都)は、「ゲームのおかげで友達とのつながりが切れずに済んだ」と肯定的だ。息子が遊ぶのはパソコンを使ったオンラインゲーム。中学に入り、学校で必要となって購入したパソコンを使ってゲームに参加している。両親ともに初代ファミコン世代だが、2人とも「ゲームは悪」という教えで育った。

「夫は子ども時代に制限された反動か、社会人になってからゲームにはまり、休日はほぼゲームという時期を過ごしたことがありました。だからなのか、子どものうちに少しは触れさせておいた方が自分でコントロールできるのではという考えはありますね」

 息子は中学2年のとき、起立性調節障害を発症し、学校に通えなくなったが、クラスメートがゲームに誘ってくれるおかげで友達との交流機会を保つことができた。

■ルール作りは本人と

 子どもとオンラインゲームの関係に詳しい兵庫県立大学環境人間学部教授の竹内和雄さんは、「大事なのは親の見守りとルール作り」だと念を押す。ルールを作る時は必ず本人と話し合うこと。親から押しつけられたルールでは子どもは反発して守らないからだ。また「夜〇時まで」などといった時刻の制限ではなく、1日2時間までなど、やる時間に制限をかけるのが効果的とのこと。

「時刻の制限の場合、その時間まではやっていいという解釈で、夕食をパッと終わらせてゲーム時間に費やすことがあります」

 中学1年生の長女を筆頭に3人の子どもを育てる専業主婦の女性(41)=東京都=は、ゲームはよい教育の機会だと断言する。プロゲーマーを目指した時代もあったという女性。

「今はゲームで生計を立てる人もいる時代です。我が家では、リビングで音が聞こえるようにしてやるようにはしていますが、時間制限はしていません」

 ゲームを通して子どもの性格を把握し、子育てにも生かしている。

「長女はゲームに負けるとやめるタイプで、長男(小学4年生)は泣きながらもやる負けず嫌い、次男(小学2年生)は2人のいいとこどりタイプ。ゲームで性格を見極めて、宿題の声かけなんかもそれぞれに変えています」

次のページ