町田啓太の“一期一会”　今も「芝居はすべてが難しい」と語る理由

「僕が演じた国生宙は、直情的ではあるけれど、それだけではない人間。何かを抱えていて、それを乗り越えようとしているのか、はたまた隠したいのか。台本上では直接的に描かれていない部分を、より多く見つけていかないといけないと思ったので苦労しました」

　俳優としてデビューして12年。活躍する今になっても、「芝居はすべてが難しい」と言う。

「考えれば考えただけ、それが演技に反映されると思っています。だから、考えることをやめないようにしたい。よく、『舞台は毎回が違う』と言いますが、映画やドラマも一期一会。毎回絶対何かが違うんです。だからこそ、『この人とお芝居をしたから、この感覚が生まれたんだ』と、二度と味わえない瞬間の喜びを感じられたときは、すごく楽しい」

　そして、力強くこう語った。

「どんな方と共演しても、どんな作品に出ても、必ず学びがある。無駄なことは一切ない」

（ライター・小松香里）

※AERA　2022年12月26日号