三浦佳生(17)/男子2位の合計273.19点。SPは1位の94.96点、フリーは2位の178.23点
三浦佳生(17)/男子2位の合計273.19点。SPは1位の94.96点、フリーは2位の178.23点

 フリーは冒頭の4回転ループで転倒したが、その後は踏ん張った。

 4回転トーループを含む2連続ジャンプ、4回転サルコー、さらに後半の4回転トーループと大舞台でも物おじしない。「美女と野獣」のメロディーに乗って、野獣から王子に戻る世界観をしっかりと演じた。

 銀メダルだった三浦は、

「スケート界を絶望させに来ている」

 とマリニンの登場を独特の言い回しで表現した上で、こう語った。

「それぐらい素晴らしい選手が同世代にいることを誇りに思う」

 最近の男子は北京五輪金メダルのネーサン・チェン(米国)、五輪2連覇の羽生結弦、昨季世界選手権優勝の宇野昌磨(24)、北京五輪銀メダルの鍵山優真(19)らが世界のトップを争ってきた。今季はチェンが休養し、羽生はプロに転向。そんな中で、マリニンと三浦という17歳が男子の「戦国時代」に名乗りを上げた。(朝日新聞スポーツ部・坂上武司)

AERA 2022年11月7日号より抜粋