なかもと・ゆうた/1995年生まれ、大阪府出身。NCT 127として2016年デビュー。20年に開設したInstagramのフォロワーは850万人超(写真 蜷川実花/hair & make up Hyo/styling 壽村太一)
なかもと・ゆうた/1995年生まれ、大阪府出身。NCT 127として2016年デビュー。20年に開設したInstagramのフォロワーは850万人超(写真 蜷川実花/hair & make up Hyo/styling 壽村太一)

 韓国発のグローバルグループ、NCT 127のメンバーとして活躍しているYUTAこと中本悠太さん。9月9日公開の映画「HiGH&LOW THE WORST X」では、同年代の表現者たちと共演した。AERA 2022年9月12日号から。

【写真】蜷川実花が撮った!AERA表紙を美しく飾った中本悠太

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――男たちの友情と闘いを描く人気シリーズ「HiGH&LOW」と、マンガ『クローズ』『WORST』がクロスオーバーした映画「HiGH&LOW THE WORST X」で本格的な演技に初挑戦した。演じたのは、新たに台頭する瀬ノ門工業高校最強の男・須嵜亮(すざきりょう)だ。

中本悠太(以下、YUTA):須嵜は口数は少ないけれど、ブレない軸を持っている。瀬ノ門の頭である天下井(あまがい)に対して不器用に自分なりの正義を貫く姿も、自分を捨てても大切な誰かのために尽くせるところも、格好いい。僕はすごく好きです。

 せりふが少なく、台本には「……」が多かったので、前後のせりふを中心に、何度も台本を読み返して、試行錯誤しながら作っていきました。アーティストとしてステージに立つ時は、表情もしっかり作るんですが、映画の現場では平沼紀久監督に「瞬きはしていいよ」と言われて「あ、そうだよな」と思ったり、怒っているときに必ずしも怒りの表情を出すべきというわけでもなかったり、演技というものに対していろいろな気付きがありました。

■現場が温かかった

YUTA:印象的だったのは、本当に現場が温かかったこと。僕は16歳で韓国に行ったんですが、日本で高校に通っていたら、こんなふうに友達とじゃれ合ったり喧嘩(けんか)したりしていたかもしれない。そう思って、青春をすごく感じました。

 僕にとって初めての映画作品で、監督、前作から出演している(川村)壱馬君、(吉野)北人君、(前田)公輝君、瑛君(塩野瑛久)をはじめ、たくさんの人に助けてもらいながら作った作品。大変なことももちろんありましたけど、それを上回る楽しさと達成感がありました。

――芝居の奥深さについても考えたという。

YUTA:最後のシーンは、いろいろな答えがあったと思っています。さらに演技を突き詰めていけば、きっともっとよい表現もできると思いますが、あのときの自分にはあれが限界でした。そのときにできることはやったし、でもこれから先もっとできるかもしれない。そういう悔しさは、次につなげていきたいです。

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