ダイニングテーブルがキッチンのそばに。あと片づけもラク/アフター
ダイニングテーブルがキッチンのそばに。あと片づけもラク/アフター

 あれだけ悪化していた家族関係、いったい何があったのでしょうか。

 実は、片づけ中にゴタゴタはたくさんあったのです。

 一番のストレスは家族でした。オンライン受講だったこずえさんは、リビングでPCの音量を出して講座を聞いていました。

 すると、出かける前の夫がなかなか出発せず、そばで聞くだけ聞いて、

「この片づけられへん人のこと、全部お前のことやな」と言って出て行ったとか。

 さらに、朝の6時からオンラインでつながって片づける母親を見ていた息子にいたっては、「どうせ母さん、二日坊主やろ」と塩対応。

 絶対に見返してやる。

 手は動かさないのに口は出す人たち。こずえさんに火がつきました。これまでだって、さんざん悔しい思いをして心が折れていた。

 でも今回は違います。なぜなのか?

「片づけない夫のせい、息子のせい、夜まで働いて忙しいとか、これまでは人や仕事のせいにしていました。確かに家族も片づけないけど、自分の問題まで棚に上げていたわけで」

 変えられるのは自分しかいない。プロジェクトのテーマでもある主体性を信じて、不用品をどんどん出していきました。

 あとでわかったのですが、夫は言わないけど共通の友人に「妻が、リモート片づけやっていて、すごいきれいにするらしいよ。また遊びに来てよ」と言っていたとか。内心は期待していたんですね。

 ただ、自分だけじゃ越えられない難関が一つ。

 リビング兼ダイニングには、黒い大きなソファが中央に陣取っていました。夫のお気に入りの場所だけど、間取りからするとリビングにあるべきものがダイニングにあったのです。こずえさんは料理を運ぶ時、じゃまだじゃまだと思っていました。

 だけど夫は動かしてくれない。この位置が一番だと言う。強行するにも女性ひとりで動かせる大きさじゃない。

 こずえさんは、ちょっと大げさに言い続けました。

「さちさんが、ソファが家族の動きのじゃまになって、黒いから見た目も重たい。商売の運気も下げるよ!って言っているよ」

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あきらかに「変化」が…