木更津の実家で猫を2匹飼っていて、毎月妹と2人で爪を切りに行く。幼い頃から優しいお兄ちゃんが大好きで仕事場や海外へも一緒に出かける妹は、今では小泉の仕事を支えるパートナーになった(写真=小山幸佑)
木更津の実家で猫を2匹飼っていて、毎月妹と2人で爪を切りに行く。幼い頃から優しいお兄ちゃんが大好きで仕事場や海外へも一緒に出かける妹は、今では小泉の仕事を支えるパートナーになった(写真=小山幸佑)

 少年時代を千葉の木更津で過ごした。4歳の頃に父母が離婚シングルマザーになった母の一恵は姉夫婦の葬儀会社で働き、3人の子を育てた。

「智貴は小学生のとき、私の誕生日にお好み焼きを作ってくれたんです。わざわざ電車に乗ってデパートへ行き、ホタテとか海産物まで買ってきて。もう泣けちゃいましたね。優しくて反抗期もなかったので、逆に大丈夫かなと心配もしましたが」

 お洒落な母は、自分が好きなブランドの子ども服を雑誌で見て注文し、子どもたちに着せていた。次男の智貴は手芸も得意だったと母はいう。

幼少の頃を過ごした袖ケ浦の神社へ。ファッションに憧れた少年時代の夢が実を結んだ今、「これからは自分が才能ある若い人たちを応援したい」と小泉は考えている(写真=小山幸佑)
幼少の頃を過ごした袖ケ浦の神社へ。ファッションに憧れた少年時代の夢が実を結んだ今、「これからは自分が才能ある若い人たちを応援したい」と小泉は考えている(写真=小山幸佑)

「小さい頃は折り紙が好きで『折り紙の本が欲しい』というので買ってあげると楽しそうに折っている。女の子がドレスを着た絵も描いていました。家庭科で裁縫を習うと、針と糸を持って何か作っていて。普通のお母さんは『危ないからやめなさい』と言うのでしょうが、私も放ったらかしで」

(文中敬称略)

(文・歌代幸子)

※記事の続きはAERA 2022年3月7日号でご覧いただけます