くら寿司の「とろカジキ」
くら寿司の「とろカジキ」

「トロサーモン」は、くら寿司でも「極み熟成まぐろ」に次ぐ、人気第2位のネタです。

「トロサーモン」も、マグロと同じく、脂の乗ったサーモンの腹部の身を指します。以前は「ハラス」と呼んでいました部位になります。近年のトロブームの中で、「ハラス」と呼ぶより「トロサーモン」と呼んだ方が美味しそうに聞こえるので、通称として広まったものです。

 そして、近年の養殖技術の進歩によって、全身に脂がたっぷりのった、メタボのサーモンを育てることもできるようになってきました。その場合は、「ハラス」以外の部位でも同レベルの脂が乗っていますので、「トロサーモン」として販売されているケースもあります。

 では、「豚トロ」はどうでしょうか。

「豚トロ」は、豚の首周りの肉のことだそうです。豚の首周りは、ほとんどが脂身で、そこに赤身が混じっているものを「豚トロ」として販売しているとのことです。

 昔は全く人気がなかったのが、近年のトロブームに乗って、北海道の焼き肉屋さんが「豚トロ」として売り出したのがブームの始まりと言われています。ですので、「豚トロ」もロースやバラといった正式な部位の名称ではなく、通称ということになりますね。

 こうしてみると、正式に「トロ」という名称がついているのは、マグロのトロだけで、他のものは、近年のトロ人気にあやかった通称ということになりますね。

 そんな現在では大人気のマグロのトロも、現在のお寿司が生まれた江戸時代には、商品価値ゼロのゴミ扱いでした。

 くら寿司では、今週木曜日から「トロづくしフェア」として、人気の「中トロ」をはじめ、「ビントロ」や「トロカジキ」など、さまざまなとろける味わいの商品を用意して皆さまのお越しをお待ちしています。この機会に、皆さんの好みの「トロ」を探してみてはいかがでしょうか。

AERAオンライン限定記事

著者プロフィールを見る
岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

岡本浩之の記事一覧はこちら