くら寿司の「極み熟成 中トロ」
くら寿司の「極み熟成 中トロ」

 先日、久しぶりに家族で焼き肉を食べに行きました。アメリカンフットボール部出身の息子は、カルビにロースと爆食いしていましたが、筆者はさすがに脂たっぷりのカルビはほとんど食べられませんでした。

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 若いころは、カルビが一番好きだったんですが、さすがに還暦手前の年齢には勝てませんね。

 寿司ネタの中で、脂がたっぷりのネタといえば「大トロ」ですよね。

「大トロ」は、マグロの腹部のなかでも頭に近い、脂がよく乗っている部分を指します。腹部の尻尾よりの部分や、背中の皮目寄りの部分は「中トロ」になります。

 マグロの中でも、「大トロ」がとれるのは、大型になるクロマグロ(本マグロ)とミナミマグロ(インドマグロ)くらいです。

 ちなみに「トロ」の語源は、「トロっとした口当たり」から来ているそうです。そのまんまですね。

 あるメディアの調査によると、一般の方が好きな寿司ネタの1位は「ハマチ」だそうです。そして2位が「中トロ」で、3位が「マグロの赤身」。「大トロ」は、13位とのことでした。

 筆者もかつては「大トロ」が大好きでしたが、最近は、程よい脂乗りの「中トロ」の方が好みです。

 かつては、「トロといえばマグロ」でしたが、最近は「ビントロ」や「トロサーモン」「トロカツオ」、そして「豚トロ」など、マグロ以外でもさまざまな「トロ」がありますよね。

くら寿司の「特大切りビントロ」
くら寿司の「特大切りビントロ」

「ビントロ」とは、ビンチョウ(ビンナガ)マグロの腹身の部分です。クロマグロやミナミマグロに比べて安価の割に、非常に脂乗りがよく美味だったことから、回転寿司で開発されたネタです。

「ビントロ」は一応マグロですが、「トロサーモン」や「トロカツオ」になると、マグロではありません。こうした呼び名は、近年の「トロ」人気にあやかって、脂のよく乗った魚体に「トロ~」と名付けて呼んでいる、いわゆる通称です。

 例えば「トロカツオ」は、秋にとれるいわゆる「戻りガツオ」のことです。

 春に太平洋岸を北上するカツオを「初ガツオ」と呼ぶのに対し、北の海でたっぷりとエサを食べた「戻りガツオ」は、脂乗りもいいことからこのように呼ばれることも多くなりました。

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岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

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豚トロはどこの部位?