「1位をめざすためには、そのリスクを背負って、試合に挑まなければいけない」
覚悟を表現できたことが、自信になった。フリーから一夜明けた14日は「トップ」へのこだわりを口にした。
これまで最高峰の選手が集うオリンピック(五輪)、世界選手権、GPファイナルではいずれも最高2位。「シルバーコレクター」と見られることの思いを聞かれた時だった。
「2位という順位がいかに難しいかを認知していたので、葛藤はない」と前置きした上で、
「僕の中では、そこ(2位)にいる自分に今まで満足していたところがあった。一度でいいから破って、ちゃんとトップで争う選手になりたい」
と言い切った。
銀メダルを獲得した2018年平昌五輪の前にも頂点への意欲を示していた時期があった。だが、当時と今では、その意味が違うという。
「前までは(トップに)なれたらいいな、という気持ちだったが、今はなれるような練習をしていこうという考えになっている。限界を決めずに成長していきたい」
力強い言葉を次々と発したのは「復活」で満足することはないという決意の表れだ。世界一のスケーターへ。さらなる高みを目指していく。(新聞スポーツ部・岩佐友)
※AERA 2021年11月29日号