衆院選の当選者に占める女性比率(AERA 2021年10月18日号より)
衆院選の当選者に占める女性比率(AERA 2021年10月18日号より)

 松野氏は初当選後、朝日新聞のインタビューで次のように語っている。

「小選挙区制になって、政治家のリクルートのシステムが狭まった。中選挙区時代なら、無所属で立候補し、当選後に政党に入るということも珍しくなかった。それが党の公認と応援がないと、非常に厳しい選挙に変わった」(00年10月4日付朝刊)

 しかも、自民党は小選挙区で安定的に勝つために、各選挙区で組織票を持つ公明党との選挙協力を固め、票の上乗せをしてきた。

 野党側も今回の衆院選で、公明党のように組織票を持つ共産党まで含めた「野党共闘」を進め、候補者を一本化している。

 有権者は「自公対野党共闘」という「政権の枠組み」の選択をしやすくなった半面、中選挙区時代のように「人」を選ぶことは、ますます難しくなっている。(朝日新聞政治部・南彰)

AERA 2021年10月18日号より抜粋