AERA 2021年9月20日号より
AERA 2021年9月20日号より

「自宅療養中の食料や日用品は原則、自分で調達する必要があります。保健所から配食サービスの希望を聞かれることもありますが、自宅療養者の急増で、対応が遅れるケースも出ているようです。自分で10日間から2週間分は用意しておくといいと思います」(石垣さん)

 水やスポーツドリンク、経口補水液などは1人1日2~2.5リットルを目安に準備する。500ミリリットル入りのペットボトルを用意しておくと、枕元に置いておけるので便利だ。ほかにレトルトのおかゆや、のど飴(あめ)なども重宝するという。

「新型コロナなどの感染症に罹患(りかん)して発熱した場合、それだけで著しくエネルギーを消耗します。食欲がなくても食べられて、少しでもカロリーを摂取できるゼリー飲料やプリン、アイスなどもお薦めです」(同)

 自宅内の感染対策も重要だ。

 東京医療保健大学大学院の菅原えりさ教授(感染制御学)は「まずは市販されている消毒用エタノールを1本、準備しておくと便利です」と話す。

 家族で暮らしているケースを想定しよう。陽性者がトイレや風呂に行くときは、他の家族はなるべく近づかない。陽性者が部屋に戻ったら、しばらく換気して、ドアノブなどをエタノールで拭く。そんなイメージだ。

「加えて石鹸(せっけん)と、手指消毒用に保湿剤が入ったアルコールを別途、準備しておくといいです」

■看病は1人に限定する

 家族が陽性者の看病をする必要も出てくる。その役割は1人に限定することが大事だと、菅原さんは言う。基礎疾患がある人、小さな子どもや高齢者は、なるべく陽性者に近づけない。その上で、看病する人はマスクはもちろん、ビニール製のカッパや使い捨て手袋などを使う。

「陽性者を隔離する部屋に入る際は、アルコールで手指を消毒し、マスクを着けて入ります。陽性者もマスクをしましょう。陽性者が子どもで、抱っこしながら世話する際は、水気のものをはじくビニール製のカッパを着るのが望ましいです。ただ、大きなポリ袋に穴をあけて頭からかぶってもいいし、その部屋だけで羽織る専用の上着でも構いません。ビニールの手袋も、お世話する人の安心感につながるので、あるといいですが、部屋から洗面所に直行、手指消毒をきっちりとやるなら、素手でも問題ありません」(菅原さん)

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