「部屋割りを見直したら、個人の物の行き場所が決まりました。個人の物の行き場所が決まると、本や洋服など種類ごとの総量が把握できるので、収納スペースに合わせて必要な物を残していけばいい。以前のように判断に迷うことがなくなりました」(同)

 以前は娘の部屋を借りてリモート会議を行っていた夫だが、現在は夫婦の寝室の一角に夫専用のデスクを設置したことで、気兼ねなく仕事に取り組むことができているという。

 女性は月に1、2回程度の在宅ワークをリビングで行っているが、テーブルがきちんと片付いているため、集中力が削がれることはない。

 前出の石阪さんは言う。

「子どもは子どもの部屋で、夫婦は夫婦の寝室で寝る。夫婦のプライベートの持ち物は夫婦の寝室の中に収める。そうやってしっかり部屋割りをして、それぞれの枠を意識して生活すれば、物がリビングにあふれることはないのです」

(編集部・藤井直樹)

AERA 2021年8月9日号