※写真はイメージ(gettyimages)
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 現役世代にとって、これまで“家”は、くつろぎの空間であり、快適に眠るための場所だった。だが、コロナ禍で家の役割も多様化した。どうすれば散らかりを回避できるのか。4LDKのマンションに暮らす4人家族を例に、片付けのプロがレクチャーする。AERA2021年8月9日号から。

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「在宅ワーク、特にオンライン会議が重なると、夫と場所の奪い合いです。背景に少しでもスッキリ見える壁面を求めて、階段下のスペースも使っています」

 廊下からリモート会議に参加したこともあるという40代会社員女性は、悩みを吐露した。

 集中してリモートワークができる環境をいかに整えるかは、現役世代にとって重要なテーマだ。だが、日本の住宅事情においてワークスペースを確保することは、多くの場合、至難の業だ。インターネット商店街「くらしのマーケット」を運営する「みんなのマーケット」が今年3月に実施したアンケートでも、「自宅のどの部分に不満があるか?」という問いに対し、「収納スペース」(42.7%)、「汚れ」(37.9%)に続いて3番目に多かったのが「間取り」(35.2%)という回答だった。

 片づけアドバイザーとしてレッスンや講演を行い、これまで約千人の片付けを成功させてきた石阪京子さんはこう語る。

「落ち着いて仕事ができる部屋やスペースがない、リビングで仕事をすると家族の居場所がなくなってしまうといった悩みを持つ人は非常に多いです。また、夫が妻に『リビングでリモート会議をするからいますぐテーブルを片付けて』と急に言ってきたり、『散らかっているのは君のせいだ』『いや、あなたのせい』と言い争いになったりすることもあると聞いています」

■在宅で物が散乱しがち

 そこでもうひとつ、立ち上がってくるのが、在宅ワークに伴う「散らかり」の問題だ。

 家族の在宅時間が増えると、リビングやダイニングを筆頭に物が散乱しがちになる。中でも、小学生の子どもがいる家庭は散らかりやすい。原因は、おもちゃや学習用品を置きっぱなしにしてしまうことだ。リビングで子どもに勉強させる“リビング学習”が流行(はや)っているが、きちんと後片付けをせず、教材などがテーブルに広げられたままの家庭が多いという。

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