石阪さんはアドバイスする。

「勉強が終わったらその都度、自分の部屋に片付ける習慣をつけましょう。子どもだけでなく、親もリモートワーク後に仕事道具を置きっぱなしにしておくと、リビングがあっという間に崩壊してしまいます」

 では、家を散らかさないためにはどんなことに気をつければいいのか。石阪さんによると、まず大切なことは、家の中を「パブリック(家族)」と「プライベート(個人)」のスペースに分けることだという。

「もともとリビングは家族がくつろぐ場所=パブリックスペースだったけれど、お父さんがリビングで仕事をするようになり、そこがお父さんの書斎=プライベートスペースのようになるということがあります。パブリックとプライベートがあいまいになると、部屋はどんどん散らかってしまうんです」(石阪さん)

■部屋割りを見直す

 パブリックスペースをきれいに保つためには、パブリックスペースに個人の物は置かない、個人の物は個人の場所に置くことだという。

 そして、こうして物を振り分ける時に重要になるのが、そもそもの“部屋割り”だ。

 兵庫県在住の40代の女性は、石阪さんのメソッドを実践した一人だ。4LDKのマンションに夫と娘2人の4人で暮らしている。14年前に長女を出産し、職場復帰した頃から家が散らかりだしたが、たまに頑張って片付けをしてもすぐに荒れてしまうため、10年間にわたってほぼ見て見ぬふりを続けていた。

「散らかりすぎて、どこに何があるかわからないほどでした。例えば洗剤や粘着テープなどの日用品も、行方不明になるとすぐに新しいものを買っていたので、後から出てきて困ることがしょっちゅうありました」(女性)

 まさに末期的な状態。だが、3年前に部屋割りを見直したことで、「パズルのように問題が解決した」という。

 長女の部屋(洋室2)は以前からすでに割り当てていたのでそのままとし、物置として様々なものを放り込んでいた部屋を次女の部屋(洋室1)にした。そして、次女の勉強部屋として使っていた部屋を夫婦の寝室(洋室3)とし、もともと家族が寝ていた和室は共有スペースとした。この部屋割り変更によって、家が劇的に生まれ変わった。

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