■ハマっているのは芝居

——異なる言語での表現は、音楽でも披露している。アメリカの人気ユニット「ザ・チェインスモーカーズ」の楽曲「クローサー」のオフィシャルカバーは、昨年2月にYouTubeで公開され、現在までに1224万再生を記録。1番は日本語で、2番は英語で歌いあげた。

新田:あれは2番から歌う、という感じでした。原曲を聴いていたので、英語のほうがスムーズでした。日本語で感情を込めるのが難しかったわけではないけれど、もともと英語のほうが曲に乗りやすく、歌にも合っていたから。でも歌は難しいです。いつも「全部をパーフェクトにやりたい」という思いがあって、自分よりうまいなあ、と思う人がいるときに、それに挑戦できないんですよね。

 いまは芝居ならば、世界と渡り合っていける、闘っていける、とは思っています。

——数少ないオフの日はひたすら「寝る」。「いまハマっていることは芝居だけ」と断言した。

新田:オンオフはちゃんと切り替えられるほうです。縁のような役をやっても、自分自身は孤独になることもありません(笑)。

 これからも海外と日本を行ったり来たりして、それぞれのよいところを吸収していきたい。「ボーダーレス」という感覚が、すごくぴったりきます。役者として求められているのであれば、どこでも全力を尽くしたい。

 いまはとにかくいろいろな作品に出て、人や作品とのつながりを大切にしたいと考えています。たくさん挑戦をし、たくさん壁にぶち当たって、乗り越えていきたいです。

(フリーランス記者・中村千晶)

AERA 2021年2月1日号