縁は違う角度から見ればまっすぐで、自分が正義と思っていることを貫こうとしている青年です。ハリウッド映画の「ジョーカー」もそうですけど、どちらが悪でどちらが正義なのか、どちらが正しくてどちらが間違っているかは、誰も決められないのではと思っています。

——米・ロサンゼルス生まれ。幼いころから空手や水泳、ピアノ、フルートに乗馬とさまざまな習い事をしてきた。なかでも一番長く続けたのが空手だ。自身を形成する「核」になったという。

新田:なんにでも挑戦したかったし、好奇心旺盛で、いろいろなことに興味がある子どもでした。そして、それができる場を与えてもらった。新しいことを学ぶのが、楽しかったんです。

 武道を長く習ってきたことは、特によかったと思っています。「礼儀」というものを学ぶことができました。実は、礼儀の基本にもある、「先輩」「後輩」という感覚はアメリカにはないものなんです。僕は平日はアメリカの学校、土曜に日本語学校、とずっと二つの学校に通ってきました。そのおかげで、双方の文化に触れ、双方を身につけることができたと思っています。

■「つかめたな」という瞬間

——演じることに興味を抱いたのは、14歳のころだ。

新田:ある日本の映画の俳優さんをみて、「こんな人になってみたい」「僕もやってみたい」と思いました。それで、演技のワークショップに通い始めました。

——その俳優こそ、「ブレイブ─群青戦記─」の記者会見で明かしたように、同作で共演した故・三浦春馬さんだった。アメリカでテレビドラマや映画に出演するようになったが、17歳のとき、日本でやってみようと決めた。

新田:アメリカの作品では大人が主役のことが多く、子どもや10代の俳優の出演作はコメディーなどが中心になります。ならば、10代や20代が主役になる作品が多い日本のほうがチャンスがあるのでは、と考えました。

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