日本でも暗躍する韓国情報機関 訪日中の金大中氏拉致事件、日本の新聞社のメールをハッキングも (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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日本でも暗躍する韓国情報機関 訪日中の金大中氏拉致事件、日本の新聞社のメールをハッキングも

牧野愛博AERA
金大中氏が誘拐されたホテル・グランドパレス/1973年8月8日、東京都千代田区 (c)朝日新聞社

金大中氏が誘拐されたホテル・グランドパレス/1973年8月8日、東京都千代田区 (c)朝日新聞社

AERA 2021年2月1日号より

AERA 2021年2月1日号より

 韓国の情報機関・KCIAが朴正熙(パクチョンヒ)大統領を暗殺した事件を描いた映画が、日本でも公開された。実際のところ、KCIAやその後身である国家安全企画部、国家情報院は、現在に至るまで、日本を舞台に情報・工作活動を続けてきた。AERA 2021年2月1日号では、日本で暗躍するKCIAの姿に迫った。

※【韓国情報機関“KCIA”が仕掛けるハニートラップ 小泉元首相の女性関係探ったことも】より続く

【韓国の国家情報院をめぐる主な経緯はこちら】

*  *  *
 日本における工作活動で最も有名なのが、73年8月、当時の野党指導者だった金大中(キムデジュン)氏が訪日中に拉致された事件だ。盧武鉉(ノムヒョン)政権下で設置された国情院真実究明委員会の報告によれば、李厚洛(イフラク)KCIA部長(当時)が拉致を指示。関与したKCIA要員24人のうち一人は「当初、計画案には在日韓国人の暴力団幹部を使った金大中氏殺害案も含まれていた」と証言していた。

 日本警察の尾行や盗聴から殺害を断念し、東京のホテルから金大中氏を連れ出した段階で、単純な拉致計画が確定していたという。日本政府は、主権侵害だとして韓国に謝罪を要求。同年11月の金鍾泌(キムジョンピル)首相の訪日で政治決着するまで日韓関係は紛糾した。

 93年に誕生した金泳三(キムヨンサム)政権では、金大中事件を再調査すべきだという声が上がった。KCIAは事件当時に金大中氏を一時収容していた秘密のアジトをひそかに処分した。神戸市と芦屋市の中間ほどに位置し、在日韓国人が偽名で借りていた、水漏れもするような古いマンションだった。

■金正男氏もターゲット

 また、政界工作も積極的に行った。73年に自民党の保守色の強い衆参両院議員で結成された青嵐会などがターゲットで、たびたび、政界資金を提供した。当時の関係者は「自民党の保守派と朴正熙政権は、反共という点で利害が一致していた。北朝鮮を攻撃する動きを期待しての支援だった」と語る。

 朴正熙政権は当時、金日成(キムイルソン)主席が率いる北朝鮮との間で熾烈(しれつ)な体制競争を繰り広げていた。北朝鮮に対する情報・工作活動は日本でも積極的に行われた。


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