占い師、作家 しいたけ.
占い師、作家 しいたけ.
※写真はイメージ(gettyimages)
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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:以前勤めていた会社で体調を崩し、今は離職、体調を整えながら転職活動中です。今までは頭で考えて心を置き去りにすることが多かったのですが、体調を崩してからというもの、自分に向き合わざるをえなくなりました。自分の気持ちから逃げず、人と向き合うにはどうしたらいいでしょうか。(女性/派遣社員/25歳/かに座)

A:自分と向き合うということについて、今回はお話をしたいと思います。

 人生がうまくいっている人たちの特徴の一つが、「自分の時間と体力が有限であることをわかっている」ことなんじゃないかと僕は思っています。きつい言い方をするなら、「無駄なことをとにかくしたがらない」というか。

 若いときは体力があるので、付き合いを増やさないといけないとか、これをしないと嫌われる、みたいなものも無理をすればできちゃうことがあります。でも25歳ぐらいを超えるときつくなってくる。「なんか私、これをやると異様に疲れるんだよね」って、コストに合わないことがわかってくると言うんですかね。

 それはもう、切り替えるべきときです。体調を崩したのならなおさらリセットのとき。向き合わなくていい人に対して真剣に向き合っていると、どんどん削られていくことがあります。人と向き合うことってもっと楽だし、楽じゃない人とは付き合わないほうがいい。飲み会に行かないキャラになるとか、合わないことからは手を引いても大丈夫。

 もう一つ、自分と向き合うということは「自分の運命の傾向を知ること」だと思うんですね。自分と向き合おうとして内面を見つめて自分探しを始めても、それは沼みたいなもの。そこにハマっていてもなかなか答えは出ません。それよりも、「こういう部分で努力するとまあまあうまくいきやすい」「これは自分の好きな分野だけど、頑張ってもうまくいかないことが多い」「こういう人には好かれやすい」などの運命とか運の傾向に注意を向けてみてください。人がなぜ一人旅に出たりお寺に行ったりするのかというと、運命と対話するためだと思います。運命はどうやら私を向こうに行かせたがっている。その運命の声に耳を貸してみると、面白い変化が起こる可能性がある。絶対ではないし感覚的なものなんですが、それが自分と向き合うことなんじゃないかと思います。

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しいたけ.

しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「しいたけ. 公式サイト」では月刊占いやコラムを連載中。 https://shiitakeofficial.com/

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