
圧倒的な表現力で、俳優、歌手として躍進する。完成したアルバム「note」には錚々たるアーティストが参加。上白石萌音の今の思いが色濃く反映されている。AERA 2020年9月7日号に掲載された記事で、制作秘話を聞いた。
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「幼少の頃から歌うことが大好きで、常に歌は生活の中心にあった」と語る上白石萌音。初主演したミュージカル仕立ての映画「舞妓はレディ」(2014年)での堂々たる歌いっぷりは観客の心を鷲づかみにした。18歳でCDデビューして以来、歌手としても順調に歩んでいる。
今回完成したアルバム「note」には、YUKIや野田洋次郎(RADWIMPS)、内澤崇仁(androp)、水野良樹(いきものがかり)といったアーティスト陣が手掛けた計10曲が収録されている。
上白石萌音(以下、上白石):すごい曲ばかりでプレッシャーでした(笑)。まだビクビクしています。一曲一曲を大事に書き留めるような時間だったなと思って“note”というタイトルを付けました。
曲を作ってくださった方たちと事前に打ち合わせを重ねたんですけど、私を深く知ったうえで、今の私に当て書きしてくれたんです。印象的だったのは、「From The Seeds」を書いてくださったGLIM SPANKYのお二人。どういう曲にしようか? という話はまったくせず、雑談のような質問をいっぱいされて(笑)。
同曲は未来へ向かって芽を伸ばしていく覚悟を歌う楽曲だ。そのミュージックビデオでは、ドラマなどで見せる表情とは異なり、力強さが表現されている。
上白石:あの会話にどんな意味があったかはわからないですけど、後になって松尾レミさんと話す中で、歌詞は「私が抱いた萌音ちゃん像を書いてみた」とお聞きして。ちょっとだけ私も自分のことを知れたような気がして嬉しかったです。外から「あなた、こんなふうに見えてるよ」と教えてもらったような感じですね。