──ドラマ「竜の道 二つの顔の復讐者」主題歌の「umbrella」の詞は、雨があがれば必要なくなる傘の視点から書かれていて、傘をマスクに置き換えれば、未来からコロナ禍を振り返った曲にも聞こえます。
Fukase:そういう意図はなかったんですけど、結果的に「umbrella」「Dropout」「周波数」は3曲ともしんどい期間のことを描いた作品になりましたね。「umbrella」の歌詞は、復讐劇であるドラマの重いテーマと、僕らの世界観をすり合わせながら、それと同時に、聴いてくれる人たちに共感を持ってもらえるシングルのリード曲にする、という難題に向き合う中でできたんです。でもリスナーの反応を見ると、思っていたものとはよい意味で違った伝わり方をしていて。そんなふうに時代の流れで聞こえ方が変わるのも、音楽のありようの一つなんだなと思っています。
──TOKYO FM開局50周年ソングの「周波数」は、会えない人に虎や深海魚に姿を変えて会いに行くという歌詞で、こちらもいまこの状況下で聴くと心に響きます。
Saori:これもコロナ禍になってから書いたわけではなく、TOKYO FMさんから「音楽の力を伝える」というテーマをいただいて、「音楽の力って何だろう?」と考える中で書いたストーリーです。でも、レコーディング中に何度も聴きながら、私もいまの時期にぴったりだと思っていました。
──シングル発売記念でZoomを使ったオンラインミート&グリーティングイベントを行うそうですが、これまでのようにライブという形ではいまは会えないけれども「姿を変えて会いに行く」試みですよね。
Fukase:ファンの方からSNSで「これはいい」「すごい!」と言ってもらえて、いい機会だったのかなと思っています。
Saori:オンラインとはいえ、私たちとファンの方たちで直接話せることってあまりないですからね。
──そのほか、最近起こった変化はありますか?