Nakajin:メンバーとは3月まではリアルで頻繁に会っていましたし、「umbrella」の録音まではレコーディングスタジオが使えました。それが「周波数」ではできなくなり、管楽器や弦の奏者にもリモート録音をお願いしました。最初は不安でしたが、この機会に自宅で録音できる環境を整えた方も多く、意外にもクオリティーの高いものを録(と)ることができて、今後の制作に生かせる発見がありました。

DJ LOVE:先日バーチャル空間を体験できるアプリ「cluster」を使ったイベント「#渋谷攻殻NIGHT by au 5G」に出演したんですけど、これからはこういうイベントも増えていくだろうなと思いました。SEKAI NO OWARIとしても何かやりたいですね。

──インディーズデビュー10周年に出る作品らしく、CD通常盤のジャケットはバースデーケーキが描かれていますね。

Fukase:あのジャケットにはアニバーサリーという意味と同時に、リボーン(生まれ変わり)の意味もあって。今回のシングルは、僕らのデビュー時から二人三脚でやってきたマネジャーと別々の道を歩くことになり、スタッフも代わった中で初めて出るものなんです。「SEKAI NO OWARIの第2章が始まる」という気持ちもあって「未来に向かうために、過去を見つめ直す」というニュアンスの強い一枚になりました。

──これからの10年でやってみたいこと、心がけたいことは何ですか?

Saori:Fukase君がアイデアを出して「あそこに行こうよ!」と決めて、Nakajinが「すぐやろう!」と舵を切るというやり方で、自作ライブハウスしかり、ライブでの巨大なセットしかり、実現してきました。でも私はいままで「本当にできるの?」と不安になって二人のやる気を削いでしまった部分もあると思っているから、本当に無理なところまでは「無理だよ」と言うのはやめよう、と思っています。二人に付いていくだけじゃない、一人でも立っていられる人間としてSEKAI NO OWARIに貢献したい。

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