●保育園での離乳食の進め方と入園までに準備しておきたいこと

 離乳食の進め方は各保育園によりきまりが違いますが、多くの保育園が、

・食べたことがない食材は除去
・食物アレルギーのある食材は医師から書面を書いてもらい除去

 ということを基本に進めています。ですので、食べたことのない食材は「家庭で数回食べてきてください」と伝えられたのではないかと思います。4月から給食がスタートしますので、4月の献立が発行されたら保育園にもらいましょう。その上で、入園までに準備しておくと助かることは、

・献立の食材を全て確認する

 また食べたことのない食材、調味料、アレルギーがあれば色ペンでチェックします。

・食べたことのない食材を食べ進める

 1日1種類を3日間ほど食べて身体に異変がない時は次の食材に進みます。この時に気を付けることは、赤ちゃんの発達に合わせて食材を食べ進めていくということ。

 例えば、5カ月で離乳食をスタートして2週間のAちゃんの場合、これまで家では、おかゆと玉ねぎ、にんじん、かぼちゃしか食べたことがありません。保育園の献立を見てみると、食べたことがない食材が以下のようでした。
4/6(月)豆腐、ほうれん草
4/7(火)豆腐、小松菜
4/8(水)鯛、大根、トマト
4/9(木)豆腐、かぶ、じゃがいも
4/10(金)しらす、キャベツ

 離乳食をスタートしてまだ2週間のAちゃん。おかゆを食べ慣れ、次に慣れてほしいのはさまざまな野菜類です。タンパク質の豆腐、鯛、しらすは、野菜に食べ慣れたうえ、離乳食をスタートして1カ月後くらいから始めるのが目安です。チャレンジしていく順番の目安は、野菜(ほうれん草→小松菜→大根→トマト→かぶ→じゃがいも→キャベツ)⇒タンパク質(豆腐→鯛→しらす)の順です。もし、4/6までに豆腐などのタンパク質を食べさせることができなければ、「チャレンジできなかったので今週は、豆腐、鯛、しらすを除去してください」と保育士に伝えればOKです。

 そして、可能であれば家での離乳食の時間を、なるべく保育所での時間に合わせてあげると赤ちゃんのリズムが整いやすいです。

 保育園での離乳食のおおまかな進め方をお話しましたが、これはあくまで目安です。離乳食に限らず赤ちゃんの発達には個性があり、順調に食べ進む子、なかなか食べ進まない子とさまざまいます。「給食で食べるのが4月6日だから、何が何でも4月6日までに3回ずつ食べなければ!」と必死になると、思い通りに進まなかった時のショックが大きくなるものです。「まあ、食べられたらラッキー。食べられなかったら除去してもらおう」と気楽に取り組みます。近い将来、必ずチャレンジできる食材なので慌てず焦らず、赤ちゃんのペースに合わせて進めていきましょう。(文・中田馨)

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中田馨

中田馨

なかた・かおり/1978年生まれ。兵庫県の認可保育園、中田家庭保育所施設長。一般社団法人離乳食インストラクター協会代表理事。保育士目線の離乳食講座受講生は4年で2000人。自身も中3男子、小5女子の子育て中。

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