すごく忙しいのに毎晩夜遅くまで飲み歩いてる人とか、帰って寝ればいいじゃん、と思うんだけど、その人はきっと満たされない何かがあるからそういう生活をしているわけで。その活動で何かを埋めてるんだな、というのは共感できる。無理に説得してもますます悪化するだけですよね。「まぁ私は理解できないけど、ちょっとは共感できる」と思えることが、お互いに住み良い世の中を作っていくんじゃないかなと思うのです。

 ただ、あなたの場合、「生理的に受け付けない、ごめん」と告げることもすごく大事です。不潔さを感じることとか、生理的に受け付けないことを、頑張って克服する必要はないから。例えば、他の人が口をつけたコップを使えない人って、世の中にいるじゃないですか。そこは無理に頑張るポイントではまったくないわけです。そういうことを話してくる友人には、理屈ではなく「ごめん、生理的に無理」って言えば理解してくれると思います。

 関連して言うと、気にくわない人のSNSとか、つい追いかけてしまうのは、「自分は大丈夫」と思いたいから。

 嫌いな人の存在は、人生に必要な毒物ではありますが、ハマりすぎに注意してください。「自分を正当化するために今日もまたチェックしてしまった」とほんの少しほろ苦さを感じることができていれば、大丈夫です。

AERA 2020年2月17日号

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しいたけ.

しいたけ.

しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「しいたけ. 公式サイト」では月刊占いやコラムを連載中。 https://shiitakeofficial.com/

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