世界は「竹内まりや」が好きだった! 山下達郎、永井博…シティ・ポップの進化 (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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世界は「竹内まりや」が好きだった! 山下達郎、永井博…シティ・ポップの進化

松永良平AERA
イラストレーターの永井博さんのアトリエで。手がけた「Pacific Breeze」のジャケットが米国で「Best Illustrated Vinyl LP」を受賞(撮影/岸本絢)

イラストレーターの永井博さんのアトリエで。手がけた「Pacific Breeze」のジャケットが米国で「Best Illustrated Vinyl LP」を受賞(撮影/岸本絢)

「フェイスレコード」ニューヨーク店は、多くのヒップホップ・アーティストを生んだブルックリン地区にある。いまや日本盤レコードを探してDJらが同店を訪れる(写真/フェイスレコード提供)

「フェイスレコード」ニューヨーク店は、多くのヒップホップ・アーティストを生んだブルックリン地区にある。いまや日本盤レコードを探してDJらが同店を訪れる(写真/フェイスレコード提供)

これぞシティ・ポップな名盤5枚(AERA 2019年12月23日号から)

これぞシティ・ポップな名盤5枚(AERA 2019年12月23日号から)

■当時の価値を海外が見いだす

 シティ・ポップが受容されている拠点は世界にいくつかあるが、その中でも先のソウルはかなり熱気が高い。「プラスティック・ラブ」を自身でリミックスしたことで世界的に話題となり、今年のフジロックフェスティバルでも深夜に超満員の盛り上がりを作り出していたDJのNight Tempoもソウル出身。角松敏生の大ファンとしても知られ、80年代後半の日本で作られていたタイプのシティ・ポップ・サウンドを「自身の理想」と公言する。

 大貫妙子の人気アルバム「SUNSHOWER」を探しに日本を訪れた米国人男性を追ったテレビ番組「YOUは何しに日本へ?」が大きな話題を呼んだのは、2年ほど前のこと。その男性がとった行動が、世界の音楽シーンに浸透しつつある大きな流れを映し出していた。今年、米国の黒人アーティスト、タイラー・ザ・クリエイターが山下達郎の曲をサンプリングし、そのことを山下自身が半ば公認する発言をしたのは、ちょっとしたトピックでもあった。また、発売当時は日本でもまったく話題にならなかった佐藤博「awakening」などの作品が、海外ではトップランクの名作として語られるなど、外からの視点で日本側が価値に気がつくというケースも少なくない。

■海外で帯つきの日本盤ずらり

 東京・渋谷に店を構え、現在は米ニューヨークのブルックリンにも店を開いているレコードショップ「フェイスレコード」。その店内には「帯」つきの日本盤レコードがずらりと並ぶ。日本でも1万円を超えるようなレア盤が、物価が高い米国ではさらに高騰。なのに、売れる。

「日本のシティ・ポップはこちらでも認知され、コレクターやDJ、ビートメーカーなどに購買層が広がっています」(ニューヨーク店の店長)

 米国西海岸のシアトルとロサンゼルスに拠点を置くレコードレーベル「ライト・イン・ジ・アティック」も、海外への紹介という点では重要な役割を果たしている。昨年には細野晴臣の70年代から80年代にかけてのアルバム5作を初めて全米向けに発売し、大きな話題を呼んだ。プロデューサーとして同社で働く北沢洋祐さんは、LA育ちの日本人。彼が手掛けたシティ・ポップの名曲を多く収めたコンピレーション「Pacific Breeze」はベストセラーとなった。


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