菊地成孔と小田朋美が組んだFINAL SPANK HAPPYは、音に意外な跳躍力がある (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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菊地成孔と小田朋美が組んだFINAL SPANK HAPPYは、音に意外な跳躍力がある

連載「岡村詩野の音楽日和」

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岡村詩野AERA#岡村詩野
FINAL SPANK HAPPY(撮影/Kaori Akita)

FINAL SPANK HAPPY(撮影/Kaori Akita)

FINAL SPANK HAPPYのニューアルバム「ミント・エクソシスト」(撮影/Kaori Akita)

FINAL SPANK HAPPYのニューアルバム「ミント・エクソシスト」(撮影/Kaori Akita)

 菊地成孔は優れたジャズ・ミュージシャンだが、優れたポップ・クリエイターでもある。そもそもジャズという音楽を広くポピュラー・ミュージックの一つとして、その歴史の進化を俯瞰して捉えることができる、開かれた感覚の持ち主だ。

【FINAL SPANK HAPPYのニューアルバム「ミント・エクソシスト」はこちら】

 だからこそ、菊地を中心としたグループ、DCPRG(ディー・シー・ピー・アール・ジー)は難解と思われる半面、音作りはゴージャスだし、批評家としての執筆物やラジオなどのトークにも、学術的な解釈だけではないパフォーマンスとしての華がある。そもそもポピュラー音楽はグラスマスであってほしい――菊地のあらゆる活動にはそうしたポリシーが一貫していると言っていい。

 そんな菊地が1990年代から不定期に活動を重ねてきたもう一つのリーダー・ユニットがSPANK HAPPYだ。管楽器を含む大所帯で形成されたDCPRGとは対照的に、SPANK HAPPYは現在、最小編成である2人。無意識に体を委ねてしまえるダンサブルなビートや、口ずさみたくなるキャッチーなメロディーを積極的に取り入れ、菊地自身もヴォーカルに挑む。都会的なユーモアと洒脱さを備えつつ、ヒット・ポップやクラブ・ミュージックの領域でも勝負。ジャズも含めた大衆音楽の洒脱な理解者である彼が理想とする、最高のポップ・アマルガム(化合物)と言っていい。

 これまで、まるで社会の変化と呼応させるかのように、“シーズン”ごとにメンバー(パートナー)や編成を少しずつ変えてきた。だが今回、“FINAL SPANK HAPPY”と名乗り、久々にアルバム「ミント・エクソシスト」をリリースした。

 アルバムのジャケットには、ブルーのジャケットに身を包み頭にフランスパンをのっけた男女が写っている。もちろん、男性の方は菊地、そして女性は小田朋美……このFINAL SPANK HAPPYにおけるパートナーであり、菊地のDCPRGでもキーボード奏者として合流しているアーティストだ。


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