「不登校は必要な時間だった」 経験者が苦しむ子どもたちへメッセージ (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「不登校は必要な時間だった」 経験者が苦しむ子どもたちへメッセージ

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深澤友紀AERA#AERAオンライン限定
8月25日に開かれた「不登校を選択した私たちが伝えたい多様な教育の話」の様子。不登校の子どもやその関係者に向け、多くのメッセージが発せられた(写真/深澤友紀)

8月25日に開かれた「不登校を選択した私たちが伝えたい多様な教育の話」の様子。不登校の子どもやその関係者に向け、多くのメッセージが発せられた(写真/深澤友紀)

 登壇者の一人、大学院生のゆっくんさん(24)は小学校6年生のときに不登校になった。その理由は「思い出そうとしても思い出せないところがある」と言う。中学もしばらくして通えなくなった。

「靴がなくなったりしていたので、いじめられていたんでしょうね」

 自宅にはたくさんの本があり、ひたすら読書した。全日制の通信制高校に通い、進学した大学で勉強の楽しさに目覚め、大学院へ進学した。

「不登校については自分の中でまだ整理がついていないことも結構あるし、克服しているとは言えない。でも今の自分があるのは、あのときの自分がいたからと思えるようになった。今の日本社会って通常のレ―ルを走り続けるのがつらいと思うんです。競争社会の中で自分も他人も傷つけるような生き方をしている人もいる。僕は不登校を経験したことで一歩外れた考え方ができるようになった。それはよかったと思いますね」

 高校で県下随一の進学校に入学し、勉強についていけずに不登校になったというジャンボさん(28)は、大学でも学習のモチベーションが持てずにいたが、大学卒業後に進学した福祉の専門学校に通いながら元気を取り戻し、現在は視覚障害者のガイドヘルパーをしている。

「僕は勉強を通して自己肯定感が低かったけど、今の仕事は不登校の経験がプラスになっているし、今は自分で事業も始めて、すごく楽しい。来月には隣に座るしろくまさんと結婚します。たとえ不登校の時期があったとしても働けるし結婚もできる。今だから言えることは、不登校はチャンス。違う視点を手に入れることはこれからの時代を生きて行く中で強みになる」

 しろくまさん(29)は、中学に入学後、仲が良かった友人がバレーボール部に入ることになり、一人になりたくないという理由で一緒に入部。それを機に部活やクラスでいじめを受け、中1の2学期から卒後までまったく学校に行けなくなった。高校は不登校だった子も多く入学する学校に入り、保育士を目指して短大に進学、保育士や介護福祉士の資格を取得して老人ホームに就職したが、体調を崩して2年で退職。1年休んだ後、現在はカフェで働きながら、アクセサリーを作って販売するなど作家活動をしている。

「ずっと社会に出ることを目標にしていて、社会人になれたことがうれしくて頑張りすぎたみたいです。でも今は自分の好きなモノづくりもできている。学校に行かなくても人生終わりではないし、新たな人生がある。自分の得意な分野で働くこともできると思います」


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