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性暴力被害者たちの“静かなデモ” 痛ましい過去を語る意義とは?

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大川恵実AERA
「私たちは一人じゃない」「一緒に変えていきましょう」。スピーチではそんな言葉がよく聞かれた。フラワーデモは、参加者全員で作られる(撮影/今村拓馬)

「私たちは一人じゃない」「一緒に変えていきましょう」。スピーチではそんな言葉がよく聞かれた。フラワーデモは、参加者全員で作られる(撮影/今村拓馬)

 ある女性は、バイト先の知人男性に「送るよ」と言われ、車で送ってもらう帰り道、人けのない真っ暗な駐車場に連れ込まれ、性行為を要求された。

 別の女性は、30年前に望まぬ性交を迫られ、激しく抵抗したことで首を絞められた。そのとき命乞いをしたが、今でも「あのとき殺されたほうがよかったのではないか」と毎日思っていると語った。

 元交際相手に長期にわたりレイプされ、起訴するまでの苦しい体験を告白した女性は、万が一、加害者に見つかることを恐れ、ウィッグをつけて変装していた。それでもその場にいる被害を受けた人たちへ、「もう自分を責めないでください」と、涙ながらに呼びかけた。

 フラワーデモの発起人の一人で作家の北原みのりさんは、最初のデモのとき、参加者が次々と「自分も話をしたい」とマイクを手に取ったことに、日本でも本当の意味で#MeTooが起きたんだ、と思ったという。

「これまで私たちは、多くの女性が性被害を語っては、叩かれ批判されるのを見てきました。語るのは怖いと、沈黙せざるをえなかった。けれどもフラワーデモの場は話をしたら、みんなの共感が得られる。語ったあとは、ずっと閉ざされてきた扉が開くような実感を得られたのだと思います。痛ましい過去は変えられないけれど、語ることで未来は変えられるかもしれないという希望が感じられました」

(編集部・大川恵実)

AERA 2019年7月29日号より抜粋


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