同社広報部のアマド・ハムザさんは「学生がビジネス能力を高められるよう貢献したい。よいアイデアは採用を検討する」と言う。3年生の辻遥香さん(20)は「授業で勉強したことを、実践に結びつけられることにやりがいを感じます。本社でのプレゼンが楽しみ」と目を輝かせた。

 いっぽう、外国語大学では、教養系の学部を開設する動きが進んでいる。名古屋外国語大学は今年、世界教養学部を開設。同学部の世界教養学科では、英語のほかにドイツ語、フランス語、中国語、韓国語などを学び、学生はトリリンガルを目指す。亀山郁夫学長(70)は言う。

英語教育を中心に据えると、学生が受け取る情報も英語圏中心になってしまう。もうひとつ別の言語を学ぶことによって視野を広げ、情報をより客観的に総合的に検証できる目を養います。多国籍の教員を擁する外語大だからこそできる学びです」

 全学部にまたがる世界教養プログラムには、歴史、宗教、文化、芸術など幅広い分野が設定されている。

 そのほか、神田外語大学も幅広い教養を学ぶ「グローバル・リベラルアーツ学部(仮)」を21年に開設予定。教育のグローバル化はさらに加速しそうだ。(ライター・柿崎明子)

AERA 2019年5月13日号より抜粋