「一部の子どもや孫に無心されるままお金を渡したり、ヘルパーさんにお小遣いをあげたりなどして、生活費を使ってしまうケースがみられます。収入に見合う支出かを判断する力は衰えても、お金を渡すと目の前の人が喜ぶので、そちらを優先してしまうのかもしれません」

 また、訪問販売で高額な商品を買ってしまったり、詐欺に遭うリスクも大きくなる。軽度の認知症のお年寄りは、特に狙われやすいという。

「さらに一人暮らしだとこのリスクは大きくなります。寂しさがこうした行為をエスカレートさせてしまいがちなので、なるべく頻繁に連絡したり会いに行ったり、見守りサービスを利用するなどして接点を多くしましょう」

(ライター・森田悦子)

※AERA 2018年11月12日号より抜粋