快進撃の金足農業高、生きた農業体験 サボれば作物育たない (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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快進撃の金足農業高、生きた農業体験 サボれば作物育たない

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大平 誠AERA

歓声と花束で迎えられる金農ナイン。雑踏警備の警察官も多数動員された(撮影/大平 誠)

歓声と花束で迎えられる金農ナイン。雑踏警備の警察官も多数動員された(撮影/大平 誠)

Tシャツのメッセージ通り熱い声援を送った木村蒼くん。両親は金農出身で母は柔道、父は相撲で高校総体に出場した雑草魂の申し子だ(撮影/大平 誠)

Tシャツのメッセージ通り熱い声援を送った木村蒼くん。両親は金農出身で母は柔道、父は相撲で高校総体に出場した雑草魂の申し子だ(撮影/大平 誠)

 大本命の強豪、大阪桐蔭に力負けして東北勢初の優勝には届かなかった秋田県立金足農業高校、通称「金農」。だが、その激闘ぶりは末長く語り継がれるはずだ。

【写真】追加点に喜ぶパブリックビューイングではこんな光景が…

 100回目の夏、秋田は信じがたいほどに熱く燃えていた。

 決勝戦当日の8月21日午前9時、秋田空港の到着ゲートには金農の決勝進出を祝う秋田犬のぬいぐるみのマスコットが陣取っていた。決勝進出を受けて日本航空が用意した大阪・伊丹空港への臨時便もほぼ満席で、入れ替わるように滑走路を飛び立ち、決戦ムードはいやが上にも高まっていた。

●仕事が手につかない

「父が金農OBで、球児たちが全力で校歌を歌う姿に『昔を思い出して泣きそうになった』と目を真っ赤にしていました。従業員一同試合が気になって仕事が手につかないから、できれば店を閉めたいぐらいです」

 取材用の車を借りたトヨタレンタリース秋田の須藤紀子さん(36)は笑いながらこう語ったが、ほとんどの秋田県民が同じ気持ちだったに違いない。

 空港から30分余り車を走らせ、到着した金農では、通用口に教職員が机を並べて設置した寄付金募集の受付窓口に長蛇の列ができている。在校生518人中約250人、教職員64人中16人が甲子園に応援に行ったまま5試合勝ち続け、滞在費が底をつきかけたことに、卒業生に限らず一般の有志が次々に賛助金の寄付に訪れたのだ。列に並んでいた中泉裕之さん(53)は金農OBで、現役時代は空手部主将としてチームを高校総体出場に導いた猛者だった。

「金農は猛練習が伝統で、ラグビーや相撲、格闘技も強いんです。でも空手部は部員が減って3年ぐらい前に廃部になって寂しい思いをしていたところ、野球部が盛り上げてくれて感無量です。野球部も今では雨天練習場ができたけど、僕らの頃は雨や雪が降るとビニールハウスの中で練習してましたからね」

 試合開始の1時間前の午後1時には、パブリックビューイングの会場として体育館を開放、甲子園に行けなかった在校生を含め、千人近くの地元の人たちが詰めかけて熱心に声援を送った。


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