料理家・管理栄養士の小山浩子さんによると、食生活の主軸となるたんぱく質は、“5色”で考えてバランスよくとることが重要だという。肉の「赤」、魚の「青」、卵の「黄」、納豆など豆類の「茶」、乳製品の「白」といった具合だ。そしてそれにプラスして考えたいのが、野菜の摂取の仕方。これにも“5色”の分類が役立つという。
タンパク質の重要性は分かったが、野菜や果物が持つ栄養素も重要だ。まずタンパク質を見直すところから入り、次のステージで野菜を考えるうえで、小山さんは野菜・果物も5色に分類した。こちらもひもづいてくる微量栄養素の機能別であり、外観ではなく切り口の断面の色をおおむね反映している。
「赤」のトマトやさくらんぼはリコピンが豊富で抗酸化作用が強い。「黄」グループはカロテンの多いかぼちゃやにんじんの他、みかんやオレンジなども含まれ、脂溶性ビタミンA、D、Eが豊富だ。「緑」のブロッコリーやキウイからはポリフェノールやクロロフィルなどの色素成分のほか、葉酸やカリウムが取れる。
「黒」は食物繊維が多く、「白」グループはビタミンCの含有量が高い。そしてこれらはみな、タンパク質とのチームワークで体内環境を整える機能を持つ。
「肉も魚も体内で酸化を促すので、リコピンの抗酸化作用が有効です。酸化は老化、イコール細胞のがんを作りやすい。そして肉に豊富な鉄分の吸収を助けるのがビタミンCです。じゃがいもや大根にたくさん含まれているので、ステーキをおろしポン酢で食べるのはとてもいいし、付け合わせのクレソンは山ほど食べたほうがいい。鉄の吸収を助けるとともに血圧を調整する葉酸も多く含んでいます」(同)
他にも、カロテンやカリウム、ビタミンCを含む「黄」グループは、粘膜を保護し、免疫力を高め、風邪の予防にも役立つという。そして、認知症予防に効果的な魚に含まれる不飽和脂肪酸に、最も重要な働きをするのが「緑」グループだ。